職場の人間工学というと、職場のレイアウトや座る位置、姿勢などが思い浮かびます。
しかし、人間工学には座る位置だけでなく、もっと重要な側面があります。ここ数年、人間工学の定義は拡大し、今では従業員が1日を過ごすデスクやワークステーションの物理的なレイアウトだけでなく、それ以上のものが含まれるようになりました。
現在では、身体的なことだけでなく、従業員の精神的な健康も人間工学に含まれ、さらに従業員が1日を過ごす環境なども要因となっています。
環境人間工学とは?
環境人間工学とは人間工学の一分野であり、人が物理的環境とどのように相互作用するかを考慮するものです。単にデスクワークの状況だけでなく、「どのような物理的環境の中で働いているか」、「それがどのような影響を与えるか」という大局的な視点から、優れた人間工学を実践しています。
数十年前まで、オフィスでの仕事はごく限られた人たちだけのもので、大多数の人は肉体労働に従事していました。そこで生まれたのが、人間工学という分野です。人体のバイオメカニクスを考慮することで、筋骨格系障害などの問題を回避し、人々の身体的な健康を維持することができるようになったのです。
しかし、安全衛生はそれだけではありません。精神的な健康や幸福がますます重視されるようになり、それらに影響を与えるものも脚光を浴びるようになりました。つまり、職場の物理的なレイアウト以外の要素も考慮しなければならないのです。
人間工学における環境要因とは?
オフィスにおける環境人間工学は身体的人間工学と同様に重要です。環境を考える際に考慮される主な要因は3つあります。
なぜこれらが重要なのか、そしてどのように対処すればよいのかを理解することで、あなたの幸福に適した職場を作ることができるのです。
照明
屋内のワークスペースでは仕事をするために十分な照明が必要です。多くの職場では、コストを削減し、必要な照明をできるだけ少なくして、目の前の仕事を確実にこなせるようにすることが選択されます。
しかし、職場では、少なくとも中~高レベルの照明が必要とされる傾向があります。まぶしさやコントラスト比なども考慮し、パソコンや職場での作業を効率よく行えるように配慮する必要があります。
職場によっては、特にコンピューターモニターとその配置に関して、まぶしさが大きな問題となることがあります。まぶしさが原因で、画面に何が映っているのかわからなくなることもあります。
反射しにくい色や表面を使うことで、まぶしさを最小限に抑えるとよいでしょう。
また、職場の照明は、仕事内容に応じて調節できるようにする必要があります。どこでも同じような照明を設置するよりも少しコストがかかりますが、生産性を高めるにははるかに良い方法です。
実は、照明は人間工学的な問題としても取り上げられることがあります。適切なレベルの照明がないと、従業員は眼精疲労に悩まされることになり、視力に影響を及ぼすこともあります。また、悪い照明の中で長時間仕事をすることで、頭痛や偏頭痛を訴える従業員もいます。
騒音
オフィスの職場は静かで平和な場所であることが期待されていますが、やはり快適に仕事ができる範囲というものがあります。騒音が大きいとイライラしたり邪魔になったりすることはよく知られていますが、静寂すぎるのも同じことです。
通常、静寂が多すぎるという問題については心配する必要はないでしょう。コンピュータのファンやエアコンの音、静かな話し声などが、集中するための十分なホワイトノイズとして機能するのが普通です。
しかし、より深刻なのは、より高いレベルの騒音です。快適なレベルの騒音は生産性と集中力を向上させることが分かっています。また、同僚と会話をする際にも、周囲の騒音が10デシベル以上小さいと、話の内容が理解しやすくなります。
通常の会話の音量が60~65dBであることを考えると、オフィス空間の理想的な騒音レベルは40~50dBであると言えます。これより低いと居心地が悪くなり、集中力を高めるどころか、むしろ低下させることになりかねません。
また、吸音材を使用することで、大きな音の影響を軽減し、より快適に仕事を行うことができます。
気候
人は快適であるときに最もよく働きます。これは身体的なものも含め、人間工学のあらゆる側面に当てはまります。快適なデスクとチェアがあれば、最高の仕事ができるのと同じように、快適な気候の中にいれば、最高の仕事ができるのです。
実は、オフィス空間の気候は快適さと同じように、生産性のレベルに大きな影響を与えることがあります。ここでは、気候を構成する要素である「温度」「湿度」「気流」について考えてみましょう。
温度
この中で最もわかりやすいのが温度です。仕事をしていても、好きなことに没頭していても、暑すぎたり寒すぎたりしたら、何もできませんよね。理想的な温度範囲は華氏68~75度ですが、どの範囲にするかは、外の気温との対比によっても変わってくるかもしれません。
また、オフィスの広さや人数、どの程度の温度が快適と感じるかによっても、理想的な温度は変わってくるかもしれません。もちろん、人によって意見は異なるので、温度計の設定温度を厳密に1つの数字にすることはできませんが、この範囲内の温度を保つことで、多くの人が快適に過ごすことができるようになるのです。
湿度
空気中の湿度はコントロールしにくい要因ですが、わかりやすいです。湿度が高くなると、気温が上がったように感じられ、汗をかきやすくなります。その結果、生産性が低下する可能性があります。
また、その逆もしかりです。そのため、一般的に気温が低い冬場は30%、夏場は40〜60%の湿度を保つのが最適です。
空気の流れ
オフィス内では、空気の動きはあまり気にする必要はありませんが、できれば微風程度にとどめておくとよいでしょう。窓や換気口の近くでは、空気の動きが大きくなり、邪魔になることもあります。オフィス設計の際には、このような空気の乱れを最小限に抑えるため、換気口や窓を考慮するのがベストです。
ソルテン人間工学オフィスチェア
Flexispotソルテンオフィスチェアは環境に配慮した人間工学オフィス家具の代表格です。また職場の身体的人間工学面にも配慮しています。背中の痛みに悩まされないよう特別に設計された3Dランバーサポートシステムと、あらゆる身長の社員が快適に座れるよう3段階の高さ調節機能を備えています。
背もたれは人間工学に基づきカーブしており、背中だけでなく首まで快適な座り心地を提供します。また、休憩するときに快適にリクライニングできる45度にする調整機能付きで、体型に応じてシートの正しい位置を見つけることができるよう、座面の奥行きを調節することができます。
また、クッション性のあるアームレストを採用し、デスクワークの際に適切なポジションで座っていただけるよう配慮しました。
環境人間工学の面では、温度や湿度の問題に対処するため、チェアの本体構造に通気性の良いメッシュを採用しました。このメッシュは空気を通し、長時間同じ場所に座っていても汗をかきにくいのが特徴です。
あらゆるタイプの従業員にとって、快適で調整可能なシートがあることは、あらゆるワークスペースにおいて大きなプラス要素となり得るのです。
環境がオフィスの人間工学に与える影響は過小評価されがちですが、職場を設計する際に考慮すべき重要なポイントです。従業員が仕事に行く限り、人間工学のすべての側面が重要であることに変わりはありません。
そのため、従業員の幸福、生産性、エンゲージメントを損なわないためには、違いを生み出す要因とその対処法を理解することが同様に重要であることに変わりはありません。
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