会社は、仕事用スペースを柔軟に使うことの利点を理解するようになってきました。そのため、これを可能にするようなワークスペースの設定を採用しようとしています。従業員は割り当てられた固定の席に座ることに慣れていますが、それに代わるオフィススペースの利用法はさらに快適で、利点が多いのです。
この観点から問題を見ていきましょう。
従業員に固定の席を割り当てても、いずれにせよオフィススペースの半分は日常的に彼らが占有しています。そうであれば、なぜ従業員をオフィスのあちらこちらに分散して座らせる必要があるのでしょうか?従業員はそれぞれ自分の好きな場所で、快適でいられる気の合う同僚と一緒に働いたっていいはずです。
会社は、ビジネスの拡大に伴いより多くのオフィススペースを確保する傾向にありますが、これは必ずしも必要ではありません。
オフィスホテリングのようなアレンジを加えることで、オフィススペースを最大限に活用することができます。このワークスペースモデルによって、従業員の生産性と快適性を向上させる柔軟性が促進されるのです。
この記事では、オフィスホテリングとは何なのかという要点と共に、その利点や、手間をかけずに実践する方法についてお話ししていきます。この柔軟性のあるワークスペースの利用法について知りたいという方は、ぜひ最後までお読みください。
読むだけの価値があります。
ホテリングオフィススペースとは何か?
「ホテリングオフィスアレンジメント」とは、従来のキュービクル型スペースや会議室、机や個人用オフィスなどを収容した可変型のオフィススペース利用法です。こうした設備を従業員は自分にとって最善の方法で利用できます。
簡単に言えば、従業員はオフィススペースの中の好きな場所を予約して利用できます。つまり、従業員は仕事を再開する度ごとにどこでも好きなワークスペースを確保して業務に当れるということです。これは従来の割り当て型固定席に代わるオフィス利用法です。
オフィスホテリングでは、従業員は自分の働く環境を自由に決めることができるのです。ワークスペースのアレンジメントには、各人が自分の好みを持っているものです。従業員全員に選択権を与えることで、仕事の効率を大きく向上させることができます。
ホットデスキングとオフィスホテリング:その違いとは
「ホットデスキング」と「オフィスホテリング」の2つは、人々が使い分けを間違っていることが多い用語です。この2つの大きな違いは、それぞれに伴う管理の仕方と組織の範囲の違いです。
ホテリングオフィススペースはホテルと同じように機能します。従業員はワークスペースを使うために予約を入れ、会社の予約システムにチェックインする必要があります。
誰も使っていないワークスペースや机があったとしても、予約したスペースを使うためにはまずチェックインしなければならないのです。
予約システムには、ワークスペースの管理のみを行う高度なコンシェルジュソフトウェアが導入されています。いずれにせよ、オフィスホテリングの重要な点は、従業員全員がこのプロセスに従わなければならず、割り当てられたすべてのスペースに詳細な記録が残っているということです。
一方、ホットデスキングにはこのような縛りはありません。これは、予約なしで割り当てられていない空いたワークスペースを利用するという方法です。
この柔軟な利用法では、従業員は事前にスペースを予約することなく、出勤した際に自分が使うワークスペースを決めます。
まれに、このモデルには複式簿記システムが含まれている場合があり、その場合には従業員はオフィスにアクセスする前にサインインする必要があります。ただし、これは会社が定員を確認する必要がある場合にのみ適用されます。
この2つの方法は、コンセプトは似ていますが、従業員がワークスペースにアクセスするための方法が異なっています。
つまり、オフィスホテリングは、柔軟性がありながらもオフィススペースの利用についての説明責任を求める会社に向いています。反対に、ホットデスキングはオフィススペースのキャパシティには余裕があるものの、因果関係と柔軟性をもってオフィススペースを利用してもらいたいという会社に向いているのです。
ホットデスキングもオフィスホテリングも、会社が職場復帰戦略として採用することが増えている注目のモデルです。この決断は理解できるものです。在宅勤務が従業員にもたらした柔軟性のために、従来通りの厳格なオフィス環境に彼らを呼び戻すことは困難な可能性があるからです。
したがって、オフィス内に柔軟な勤務体制を導入することは、従業員がオフィス環境に戻りやすくするための素晴らしい戦略だと言えるでしょう。そして将来的にはこれが当たり前になって行く可能性もあるのです。
オフィスホテリングを導入するべき理由とは
オフィスホテリングは、従業員と会社両方に様々な点でメリットがあります。会社にとっては、社内に優秀な人材を引きとどめておくための方策になるでしょう。柔軟な労働条件を持つ競合他社は、自社の柔軟性をヘッドハンティングへの入り口として使うかも知れないからです。
したがって、もしあなたが自分の会社を他社よりも優位に立たせたいのであれば、この方法を採用することでそれが可能になるかも知れません。興味深いことに、オフィスホテリングにはさらにより多くの利点があります。
ここからはオフィスホテリングの7つの利点についてご紹介します。ぜひご覧ください。
協働とチームワーク
必要な時にはいつでもワークスペースや会社のリソースを利用できると、従業員はお互いに協力し合う傾向があります。各人のランクに合わせてワークスペースやリソースを割り当てると、チームワークに害を与える分離を引き起こす可能性があります。
けれど、共通のアクセス権があることでチームとしての考え方が組織的に発展することは確かです。
従業員はすべて、それぞれに個性的です。ワークスペースの環境の好みも様々なのです。独立した、集中できる静かな空間を好む人もいれば、オープンオフィスのようなにぎやかな環境で花を咲かせる人もいるのです。または、仕事の内容に応じてこの両方を組み合わせるのを好む人もいます。オフィス内にホテリングスペースを持つことで、従業員はその選択をすることができるようになります。
やる気を高める
従業員は自分の意見が採用されると、会社への忠誠心を持つようになり、やる気が高まります。これらはすべて生産性の向上につながります。
オフィスホテリングはこれにどのような影響を与えるのでしょうか?
従業員が自分のワークスペースを決める際に、ワークスペースのレイアウトに影響を与える変更を加える機会を得ることができます。こうした変更によりスペースを効果的に使うことができて、従業員は自分の意見が重要だと感じることができるのです。
やる気が高まることに加えて、協働意識も高まります。これは主に、従業員が会社全体が統一された目標に取り組んでいるのだと信じているからです。
オフィスリソースの平等な利用
オフィスホテリングでは、従業員用のリソースをすべて平準化し、マネージャーやスーパーバイザーがワークスペースやオフィス機器を管理できるようにします。これにより、従業員は必要な時に必要な物を平等に利用することができます。
たとえば、あるチームがプロジェクトの計画を立てるという際に、近くにあるワークスペースを複数予約する、または会議室を予約することができます。そうした、必要に応じた予約ができるのです。また、このモデルでは、個人用オフィス内の機器のように、使っていない時間にも機器が占領されているという状態を避けることができるため、誰もが貴重な時間を有効利用できます。
コストの削減
オフィスホテリングには様々な利点がありますが、その中でも主要のものがコストの削減でしょう。このモデルを採用することで、会社は多くのコストを削減することができます。あなたの会社が占有スペースの面積を縮小することができれば、家賃やエネルギー消費量、および光熱費を削減することができます。
こうしたコストを削減する方法があれば、ビジネスの成長に投資するために十分な資金を蓄積できるのです。
また、会社は従業員の勤務時間がフレキシブルで、ワークスペースも柔軟に使えるため、人員増員にあたってオフィススペースを拡大する必要がありません。
優れた訪問者の管理を実現する
オフィスホテリングを採用している会社では、来客やクライアント、ゲストの管理が簡単にできるようになります。そのため、訪問者は最高に心地よい接遇を受けることができます。
オフィスホテリング用ソフトウェアには、すべての机の割り当てが記録されているため、訪問者をスムーズに案内することができます。また、システムにリアルタイムで位置情報を把握できる機能があれば、訪問者は慣れないオフィスでも問題なく移動することができます。
オフィスホテリングシステムには、驚くべきゲストサービスの機能があるのです。
オフィススペースの管理を促進する
外出先や自宅で仕事をすることが多い従業員に固定のワークスペースを割り当てることは、オフィススペースの無駄遣いです。
オフィスホテリングのような、より柔軟性の高いワークスペースアレンジメントを使うことで、そうした従業員がいる場合でもワークスペースを適切に管理することができます。不要なワークスペースを除外することができて、さらに利用したい従業員にスペースを確保することができます。
また、従業員に十分足りる広さにスペースを縮小することもできます。
ワークフローをサポートし、従業員同士の協働を促進するために、オフィススペースを刷新することをお勧めします。ただし、混合型のワークスタイルで働いている従業員がいる場合、彼らがオフィスで仕事をする場合もあることを考慮に入れて、彼らのためのワークスペースを含めることも忘れないでください。
在宅勤務をより快適にする
ホテリングオフィススペースは、混合型労働力を採用している会社にも大きなメリットがあります。まず、在宅勤務をする従業員が時にはオフィスを訪れて同僚と交流を持つことを後押しします。
混合型従業員であっても、職場での交流を持つことができ、チームスピリットを強化することができます。それにより彼らは職場環境に溶け込みやすくなるのです。
それと同じように、勤務時間のすべてをオフィスで過ごしている従業員も、在宅勤務という働き方になじみやすくなります。このように、オフィスホテリングは混合型労働力が活躍する会社のニーズに合ったモデルなのです。
オフィスホテリング導入のための優れた方法とは
オフィスホテリングにはいくつかの利点がありますが、それでも期待外れに終わらないためには、最適な取り組み方で導入することが大切です。このモデルを導入する前に、会社の指針の変更や従業員が期待していることなどを検討する必要があります。
ここからは、オフィスホテリングを正しい方法で始めるための優れた取り組み方をご紹介します。
従業員を参加させる
「すべての偉大な変化の前には混乱がつきものである」とは、ディーパック・チョプラの言葉です。けれど、オフィスホテリングの導入に伴う混乱は避けることができます。
まず、計画を実行する前に、従業員に計画について伝えましょう。
行動計画を作成して、移行ができるだけ迅速に、手間をかけずに行えるかどうかを確認してください。さらに従業員には、この制度を採用することでどれほどの自由と柔軟性がもたらされるかを説明します。また、彼らの生産性や仕事の効率も向上することを説明してください。
従業員の期待を無視しないでください。それを計画に取り入れることで、従業員の中にオフィスホテリングの情報を広めてくれる協力者を見つけましょう。
多様なワークスペースを提供する
優れたオフィスホテリングのデザインには、多様なワークスペースが含まれているものです。様々なワークスペースがあることで、従業員は状況に応じて自分に合ったスペースを選ぶことができるようになります。
重要な電話をする際にはドアを閉めたいという従業員もいれば、同僚との共同作業を好む従業員もいます。取り残されていると感じる従業員がいないようにしてください。さらに一歩進んで、彼らがリラックスしておしゃべりできるようなスペースを作っても良いでしょう。
また、従業員が固定されたワークスペースを持たないことから、彼らが自分の持ち物を保管できるスペースを作ることも効果的です。
このワークアレンジメントの成功に関わるもうひとつの要因が、人間工学に基づいた家具があるかどうかです。オフィス用のスタンディングデスクや人間工学に基づいたオフィスチェアがあれば、従業員の生産性向上に役に立ちます。
クラウドストレージの活用
オフィスホテリングを成功に導くためには、オフィスのどこにいてもすべてのドキュメントにアクセスできることが肝要です。クラウドストレージを使うことで、このような幅広いアクセスが可能になります。チームメンバーが同じ部屋や近くにいなくても、プロジェクトを同時に処理することができます。
それにより、どこにいても従業員同士のつながりができて、チームワークを高めることができます。
ワークスペースの清掃をスムーズに行うための方法
この柔軟性に富んだワークスペースを実現するためには、クリーンデスクポリシーを強化する必要があります。各従業員が机の上に何も残さないようにし、他のユーザーのために机を清潔に保つためのポリシーです。
自分に割り当てられた机がないこの現代的なスタイルに適応するのは、最初は難しいかも知れません。多くの人は机に私物を置いたままにする習慣があるため、意識的に行動する必要があるかも知れません。
ごみを捨てる、机を拭く、または自分の物を持ち帰るなどの「やることリスト」を作っておくことをお勧めします。
また、オフィス周りに掃除道具を置いておくことで、1日の終わりにきれいなオフィスを保つのに役立つでしょう。
机予約ソフトウェアを入手する
机予約ソフトウェアは、予約プロセスに伴うストレスを解消します。予約ソフトは継ぎ目なくいろいろ考えずに簡単に操作できます。効果的に使うためには、他のツールと統合する必要があります。
予約分析や、モバイルバージョンなどの機能を追加することは、会社全体に役に立つことです。
最後に
オフィスホテリングは、従業員の生産性を向上させる柔軟で完璧なワークスペースデザインを実現します。事前にスペースを予約しておくことで、お気に入りのスペースを探すのに手間取ってストレスを感じる必要がなくなります。さらに、オフィスホテリングによって平等に扱われることで、チームワークの向上にもとても役立ちます。
それでいてなお、混合型労働力を採用している会社や、柔軟性に富んでいる会社にとっても最適なモデルであることに変わりはないのです。
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