電動リクライニングソファは、ボタンひとつで背もたれやフットレストを調整できる便利な家具です。リラックスした姿勢を簡単に作れるため、リビングやホームシアターなどで人気があります。
しかし、長期間使用していると「動かなくなった」「音がする」「途中で止まる」といったトラブルが起きることもあります。
本記事では、自分でできる範囲の簡単なトラブルシューティング(対処法) を中心に解説します。分解や内部修理が必要なケースでは、無理をせずメーカーやカスタマーサポートに相談することが安全です。
電動リクライニングソファの仕組みを簡単に理解しよう
電動リクライニングソファの構造を少し理解しておくと、万が一トラブルが起きた際に原因を特定しやすくなり、慌てずに対処できます。基本的には、以下の4つの要素によってスムーズなリクライニング動作が実現されています。
- モーター(駆動装置):背もたれやフットレストを動かす心臓部。電気信号を受けて回転し、内部のギアを介して角度を変化させます。高品質なモデルでは静音設計やスムーズな動作制御が施されています。
- コントロールボックス(制御ユニット):リモコンから送られた操作信号を受け取り、モーターに適切な電力を送る装置です。複数モーター搭載モデルでは、背もたれ・フットレストを個別に制御する役割も果たします。
- 電源コード・アダプター:コンセントから安定した電力を供給するためのパーツ。断線や接触不良があると動作が不安定になるため、定期的なチェックが大切です。
- リモコンまたはスイッチ:利用者が操作するインターフェース。ボタン操作で背もたれやフットレストの角度を自在に調整できる仕組みです。最近では、USBポート付きのリモコンも増えています。

これらのうち、コード・コンセントやリモコンの不具合は、ユーザー自身で確認・改善できる範囲に含まれます。一方で、モーターやコントロールボックス内部のトラブルは分解を伴うため、自己修理は避け、メーカーのカスタマーサポートに依頼するのが安全です。構造を理解しておくだけでも、「どこまで自分で確認してよいか」「どの段階で専門対応が必要か」を判断しやすくなります。
よくある電動リクライニングソファの故障と原因
① 動かない・反応しない
最も多いトラブルが「ソファが動かない」という症状です。リクライニングボタンを押しても反応がない場合、まずは以下のポイントを順番に確認してみましょう。
<主な原因>
- 電源プラグが抜けている
- コンセントの接触不良
- 延長コードや電源タップの不具合
- リモコンケーブルの断線
- 安全装置(過負荷保護機能)が作動している
<チェック手順>
- 電源コードの接続を確認:奥までしっかり差し込まれているかをチェックします。接触が緩いと電流が不安定になり、動作が止まることがあります。
- 別の家電でコンセントを確認:同じコンセントに別の家電(例:ライトやスマホ充電器)を差し込み、通電しているか確認します。電源が入らない場合、コンセント側に問題がある可能性があります。
- 延長コードを使用している場合は一度外す:延長コードやタップを介していると、電圧降下や接触不良が起きることがあります。壁のコンセントに直接接続して試してみましょう。
- リモコンケーブルの状態を確認:ケーブルが曲がっていたり、折れていたりしないかを確認します。ケーブルの被覆が損傷している場合は、使用を中止してください。感電やショートの恐れがあります。
- USBポートの通電を確認:もしUSBポート付きモデルなら、スマホを挿して充電されるかを確認します。充電ができる場合は、リモコンやコントロールボックス側の不具合の可能性が高くなります。

② 動作が遅い・途中で止まる
「動くけれどスムーズでない」「途中で止まる」「いつもより遅い」と感じた場合、これはモーターの一時的な保護動作や過負荷による可能性があります。
<主な原因>
- モーターの過熱
- 内部の安全装置(過負荷保護)が作動
- 背もたれやフットレストに重い物を置いている
- コードや可動部に引っかかりがある
<対策>
- 一度電源プラグを抜く:まず電源を抜きます。そのまま10〜15分ほど放置してから再び差し込み、動作を確認してください。モーターの温度が下がると、再び正常に動作することがあります。
- 可動部に重い物を置かない:リクライニング中にフットレストや背もたれに重い物が乗っていると、負荷がかかって動きが止まる場合があります。
- 頻発する場合はモーター異常の可能性:何度も同じ現象が起きる場合は、内部モーターや制御基板の故障の可能性があります。無理に動かそうとせず、サポートセンターに相談しましょう。
③ 異音がする(モーター音・ギシギシ音など)
普段よりも「ギー」「カタカタ」といった音がする場合、機械的な異常のサインであることがあります。
<主な原因>
- フレームや金具の緩み
- 可動部にホコリ・髪の毛などが挟まっている
- モーターのギア部分にズレや摩耗が生じている
<対策>
- まず電源を抜く:作業を始める前に必ず電源を抜きましょう。可動部分が突然動くとケガの危険があります。
- ソファの下・背面を掃除機で軽く吸う:可動部や金属パーツの周辺にゴミが溜まっていると異音の原因になります。やわらかいブラシ付きのノズルで軽く吸い取るのがおすすめです。
- 座面やアームのネジの緩みを確認:フレームや金具の接合部が少し緩んでいる場合、手締めで軽く締め直すと改善することがあります。ただし、強く締めすぎると破損の原因になるため注意が必要です。
- モーター音の変化が大きい場合は使用を中止:モーターから「うなり音」「焦げ臭い匂い」などがする場合は、すぐに使用をやめてください。内部でショートが起きている可能性があります。

トラブルを防ぐためのメンテナンスと使い方のコツ
電動リクライニングソファは、毎日のリラックスタイムを快適にしてくれる一方で、電動機構を含むため日常的なメンテナンスが欠かせません。ちょっとしたお手入れや使い方の工夫で、故障やトラブルを大幅に減らすことができます。
- 定期的にコンセントやケーブルの状態をチェック:電源コードやプラグ部分の曲がり・断線・ホコリの付着は、動作不良や発熱の原因になります。月に一度は抜き差し部分を確認し、汚れを乾いた布で軽く拭き取りましょう。
- ソファ下のホコリや異物をこまめに掃除:ソファ下はホコリや髪の毛が溜まりやすく、可動部やモーター周辺に入り込むと異音や動作不良を引き起こすことがあります。掃除機の細いノズルを使って定期的に清掃するのがおすすめです。
- 長時間連続で動かさない(モーター保護のため):モーターは連続動作によって一時的に熱を持つことがあります。短時間に何度もリクライニング動作を繰り返すと過熱保護装置が作動し、一時的に動かなくなる場合もあります。動作間に数分のインターバルを取ることで、長持ちさせることができます。
- 取扱説明書に従った操作を心がける:モデルによって操作方法や制限が異なります。必ず取扱説明書を確認し、メーカー推奨の方法で使用することが大切です。
日常のちょっとした注意で、電動リクライニングソファをより長く、より安心して使い続けることができます。
まとめ
電動リクライニングソファは快適性と利便性を兼ね備えた家具ですが、長く愛用するには日常的なケアと正しい使い方が大切です。小さなトラブルなら自分で確認・対処できるケースもありますが、無理に修理しようとせず、異常を感じたら早めにメーカーへ相談しましょう。特に、FlexiSpotのように2年間の保証を提供しているブランドであれば、安心して修理依頼ができます。保証期間内の相談であれば無償対応となるケースも多く、自己修理よりも確実で安全です。
FAQ(よくある質問)
USBポートが給電しなくなりました。修理が必要ですか?
まずは他の機器(スマホなど)でポートを試してみることから始めましょう。ソファ本体の電源がオフになっているとUSBも動作しない場合があります。電源が入っていても動かない場合は、内部の配線や基板の不具合が考えられるため、カスタマーサポートへの相談をおすすめします。
一人用電動リクライニングソファでも同じトラブルは起きますか?
はい、基本構造は同じため発生しうるトラブルは共通です。ただし、一人用モデルは構造がシンプルな分、原因特定がしやすく修理対応もスムーズです。
自分で分解して直してもいいですか?
いいえ。モーターや電装部品を扱うため、感電や破損の恐れがあります。分解や修理は必ずメーカーサポートに依頼してください。